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【R8】温室生まれの、小さな虹~パプリカ

16 時間前
読了時間: 4分

#台湾 #新港郷 #台日友好 #新港農業紹介 #パプリカ #甜椒

新港は農業で知られており、田園地帯の小道を歩いていると、あちこちに温室が立ち並んでいるのを目にします。その中では、色鮮やかでカラフルなパプリカが育てられています。赤、黄色、オレンジ、緑、大きなもの、小さなもの、丸いもの、細長いものなど、さまざまなパプリカが温室の中で輝いています。これらのパプリカは、新港を代表する重要な農産物の一つであるだけでなく、農家の方々が日々汗を流し、丹精込めて育ててきた努力の結晶でもあります。

では、なぜ新港はパプリカの栽培に適しているのでしょうか?台湾は、恵まれた自然環境により、小さな島でありながら非常に多様で豊かな気候条件を持っています。嘉義は北回帰線が通る地域に位置し、亜熱帯モンスーン気候と熱帯モンスーン気候の両方の特徴を持つ地域です。日照時間が長く、太陽の光を十分に得られることに加え、嘉南平原の豊かな水資源にも恵まれているため、温室栽培にも非常に適した環境となっています。


すべての始まりは、1990年代にさかのぼります。それ以前の新港では、パプリカが主要な農産物だったわけではなく、主にアスパラガスのような高収益作物が栽培されていました。しかし、アスパラガスは栽培に多くの手間と時間がかかります。さらに、当時の台湾は経済成長の真っただ中にあり、農業人口が徐々に減少していました。加えて、気候変動の影響もあり、アスパラガスを栽培しようとする農家は次第に少なくなっていきました。そこで、新港地域では、アスパラガスに代わる産業として、少しずつトルコギキョウの栽培を発展させようとしました。しかし、まだ産業として始まったばかりで栽培技術が十分に確立されておらず、国際的な花き市場の価格変動にも影響を受けやすいという課題がありました。そのため、さらに別の農産物への転換を模索する中で、当時まだ輸入に大きく依存していたパプリカを、縁あって新港に導入し、栽培を始めることになりました。ところが、最初から順調だったわけではありません。パプリカも高収益作物であり、比較的高い栽培技術が求められます。農家たちは多額の資金を投入して種子を購入し、温室を建設しましたが、思うような収穫を得ることができませんでした。その結果、農家たちは大きな挫折を味わうことになりました。

収穫されたパプリカ
収穫されたパプリカ

1996年、転機が訪れました。新港の農家たちは視察団を結成し、オランダへ農業視察に赴きました。当時、台湾が輸入するパプリカの多くはオランダ産であり、オランダは先進的な温室栽培設備と技術を有していただけでなく、従来の品種の風味や食感の改良にも取り組んでいました。さらに、コールドチェーンや長距離輸送の技術も成熟していたため、実際に産地を訪れて学ぶことには大きな意義がありました。当初、新港でのパプリカ栽培は、平面的に枝を広げる「平張り栽培」が中心で、収穫期は毎年11月頃から翌年3~4月頃まででした。しかし、オランダで実際に栽培現場を視察したところ、現地では「立体栽培」が主流であることが分かりました。

立体栽培の温室内
立体栽培の温室内

この栽培方法を導入することで、収穫期間を約2か月延ばすことができるだけでなく、病害虫の発生を抑えることもできます。また、作物を立体的に栽培することで、これまで利用されていなかった空間も有効に活用でき、収穫量の増加にもつながりました。さらに、オランダから「点滴灌漑技術」も台湾へ導入されました。その後、生産・販売班を組織するとともに、農業改良場や新港郷農会の指導・支援を受けながら、農家たちは先進的なネットハウス栽培や施設内の温度管理技術を取り入れていきました。こうした取り組みによって、新港のパプリカ産業は大きく発展し、独自の道を切り開いていきました。そして、新港の農家たちは、台湾で初めて専門的なパプリカ生産に特化した生産・販売班を設立しました。さらに、栽培技術が成熟した後には、生産・販売班から独立して自らのチームを立ち上げ、独自ブランドを展開する農家も現れるようになりました。

色とりどりのパプリカ
色とりどりのパプリカ

新港におけるパプリカ産業の発展の歩みを振り返ると、それはまさに台湾農業の近代化を映し出す縮図と言えるでしょう。気候変動や農業人口の流出という課題に直面しながらも、新港の農家たちは農業改良場や農会の指導・支援を受け、危機を転機へと変えることに成功しました。かつては輸入に頼っていたニッチな作物だったパプリカを発展させ、現在では台湾を代表する専門的な生産・販売組織へと成長させました。台湾と日本では、栽培されているパプリカの品種や導入元が異なるため、果実の大きさや形、風味にもそれぞれ特色があります。日本では、欧米から導入したパプリカを、より小型でフルーツ感覚で楽しめる方向へと改良し、日本の風土に適し、栽培期間の短い独自品種の開発を積極的に進めてきました。一方、台湾では、オランダやヨーロッパなどから導入した商業品種をもとに、農業改良場が台湾の環境に適した品種へと改良・育種を進めてきました。高品質と高い収量を実現することで、台湾のパプリカ産業において揺るぎない地位を築いています。


 
 
 

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